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こんにちは、ワーホリハンターだったNaoです。
2年間でのイギリスYMS生活も無事に終了……と思いきや、帰国後の手続きが色々あり、しばらくの間はイギリスを引きずらざるを得ませんでした。
特にタックスリターンは長期戦で、力を吸い取られました。
この記事では、ワーホリを終えて帰国する際に行う手続きについて紹介します。
みなさんの帰国手続きの参考になれば幸いです。
TAX Return(タックスリターン)
帰国時の手続きで一番厄介なのは、タックスリターン!!
イギリスで働いていた人で、今後Tax Year1年度分はイギリスに戻ってくる予定のない人はタックスリターンの対象です。
詳細→Tax if you leave the UK to live abroad - GOV.UK
イギリスのタックスリターンは帰国後に申請が可能です。
勤務先からP45を受け取ったら、すぐにタックスリターンを始めることをおすすめします。
イギリスのタックスの仕組み
イギリスのタックスは、Tax Yearに準じて計算されます。
イギリスのTax Yearは4月6日から翌年の4月5日まで。
この間に収入がどれだけあったかによって、Taxが課されます。
例えば、2020年9月から2022年9月までの2年間をイギリスで過ごした方の場合、
- 2020年9月〜2021年4月5日
- 2021年4月6日〜2022年4月5日
- 2022年4月6日〜2022年9月
といったように、Tax Year3年度分が関係します。
1.の期間のタックスリターンは、P60が手に入り次第2021年4月6日〜2022年1月31日に行います。
2.の期間は丸々1年間のTax Yearを過ごしているため、会社側が1年分のTaxを綺麗に計算している可能性が高く、還付金があまり見込めません。
ただし、ダブルワークをしていたり転職した場合は、税金を多く取られていることがほとんどなので、還付金が発生する可能性が高いです。
2.の期間のタックスリターンは、帰国時にHMRC側の計算が終わっていれば、3.の期間とまとめて"帰国時のタックスリターン"として申請が出来ます。
帰国時にHMRC側の計算が終わっていない場合、P60が手に入り次第2022年4月6日〜2023年1月31日に"帰国時のタックスリターン"とは別でタックスリターンを行う必要があります。
HMRC側の計算が終わっているかどうかは、Personal tax accountのページから確認することが出来ます。
Tax Yearを半端に跨いでいる3.の期間は、還付金が発生する可能性が高いです。
ちなみに私は2019年3月末から2021年3月末までイギリスに滞在していて、3月分の給与が2021年4月末に支払われました。
この場合、
- 2019年3月末〜2019年4月5日
- 2019年4月6日〜2020年4月5日
- 2020年4月6日〜2021年4月5日
- 2021年4月6日〜2021年4月末
の4年度分が関係のあるTax Yearになりますが、1.は求職中で収入無し、2.3.はTax Yearを丸々2年間分過ごしているので、還付金はほとんど見込めません。
4.は会社側が余計なTAXを支払わないように調節してくれたため、P45には支払ったTaxが0と記載されていました。
4の期間を"帰国時のタックスリターン"として申請し、その時点でHMRC側の計算が終わっていなかったため、3.の期間は別で通常のタックスリターン(2.の期間)と同じ処理を行いました。
このように、タックスリターンをしたからと言って、必ず還付金があるわけではありません。
ただし、タックスリターンをしなかったことによるペナルティが発生する可能性もあるのと、イギリスを離れたということをHMRC(政府)に知らせるためにも、帰国時のタックスリターンは必ず行いましょう。
ちなみに私は、イギリス政府からの在宅勤務手当を申し込んでいたのにも関わらず、その還付金の申請をタックスリターンし忘れたという理由で£100のペナルティを食らった過去があります。
たった£1.6の申告漏れだったのに、HMRCは見逃しませんでした。
ペナルティ、本当にあるので、気をつけてください!
ちなみにこのペナルティは無視し続けるとどんどん膨れあがるので、支払いはお早めに……!
Goverment Gatewayアカウントの作成
この作業は、英国にいる間に済ませておくことをおすすめします。
タックスリターンの手続きに伴い、Goverment Gatewayのアカウントが必要です。
こちらのページの[Create sign in details]からアカウントを作成します。
ブラウザがSafariだと不具合が起こる可能性が高いため、Google Chrome等を使用することをおすすめします。
アカウント作成の際に身分証明書が2点必要なのですが、YMSの場合は、P60とSelf Assessment(Credit referece questions)で身分を証明することになると思います。
Goverment Gatewayにログインするには、英国の電話番号もしくはHMRCアプリが必要です。
SIMカードさえあれば、使用料を支払っていなくても英国外でSMSの受信が可能なことがほとんどですが、SIMが日本に対応しておらずSMS受信が出来なかったときのために、アプリからもログインが出来るようにしておくことを強くおすすめします。
Goverment GatewayのPersonal tax accountのページ上部にある[Your Account]から
[Manage your Goverment Gateway details]に進み、
Your security preferencesのAddを選択し、Appを追加すればOKです。
アプリ側の操作はこちら。
あとはQRコードを読み取り、セキュリコードを入力し、アプリ名を入力すれば完了です。
イギリスのタックスリターンの申請方法
オンラインから簡単に手続きが出来ます。
Get your Income Tax right if you're leaving the UK - GOV.UK
↑こちらのページのClaim onlineから手続きを行います。
尚、上記ページから紙ベースでのタックスリターン申請書もDLできます。
国際郵便での申請になるためオンラインより時間はかかりますが、Goverment Gatewayにログイン出来ないなどの不具合が起きた場合は、最悪紙ベースでも申請が出来ることを覚えておくと良いかもしれません。
タックスリターンの申請を行うために用意しておく書類はP45。
P45は退職後にもらえる書類です。
タックスリターンのオンライン申請にはP45の原本が必要なわけではなく、書いてある内容が確認出来れば問題ないので、PDF等のデータで大丈夫です。
(タックスリターンの申請に最新のP60が必要な場合もあるようですが、私は必要ありませんでした。)
上記のウェブサイトの指示に従い、各項目を入力していきます。
私は以下のことを聞かれました。
- 英国での最後の住所
- 英国を離れたあとの住所と電話番号
- 英国を離れた日
- 英国に住んでいた年数
- 出国日〜出国日前の4/5の間にTax Year中にイギリスに住んでいたかどうか(この質問は全員Yesなのでは……?)
- ↑の前年度のTax Year中にイギリスに住んでいたかどうか
- 英国を離れた日から向こう3年度の間、英国に何日滞在する予定か
- イギリスにまだ家があるか
- イギリスを離れてから既に仕事を始めているか、始める予定が既にあるか
- イギリスにビジネス関係で戻ってくる予定があるか
- 英国を離れた後もイギリスから給与を受け取る予定があるか
- 課税対象のベネフィットを受け取っているか
- 返金がある場合は今すぐ受け取りたいか
- ↑の受取人は自身で良いか
- このタックスリターンに関する手紙を届けて欲しい住所の選択
- P45に書いてある内容の入力
最後にメールアドレスを入力し、申請完了です!
その後、リファレンスナンバーが書かれた受け付け完了のメールが届きます。
申請から24時間以降、Goverment GatewayのPersonal tax accountのページから進捗状態を確認することが出来るようになるとの表示がありましたが、私の場合は19日後まで確認出来ませんでした。
オンライン申請から19日後、Check Progressのページ(もしくはアプリのForm Tracker)から進捗状態を確認することが出来るようになりました。
通常は、申請から15日以内に結果が出るとのことでしたが、私の場合はこれも大幅に遅れ、申請から28日後、やっと"Done"になりました。
その後待つこと2週間、HMRCから"処理が終わりました"という旨のレターが届きました。
P45のTaxも0だったため、予想通り還付金はなしです。
「前年度分のTax Returnも忘れずに行ってください」という内容も記載されていたため、すぐにオンラインから申請を行いました。
帰国時のタックスリターンで還付金がある場合は、小切手が送られてきます。
海外の小切手を受け付けてくれる日本の銀行はかなり限られていますが、Monzoであれば英国外からでも小切手での入金が可能です。
追跡をつけて国際郵便でMonzoに小切手を送付します。
詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
GPに英国を離れることを連絡する
これはマストではありませんが、今後イギリスに戻ってくる予定がない場合は、出来ればしておきたい項目。
SMSでも電話でも直接行ってでもなんでもいいので、「イギリスを離れるから、登録を外しておいてください」とお願いするだけでOKです。
というのも、NIナンバーはビザと結びついていますが、NHSナンバーはビザと結びついていないため、英国を離れたあとでも勝手に検査の予約を入れられたり、イギリスの住所にガンガン手紙が届いたりするんです。
私はこの件を知っていたものの後回しにしていたため、案の定勝手に検査の予約を入れられてしまいました。笑
キャンセルのために国際電話をかけるハメになり、めんどくさかったです。
ご自身が面倒臭いことにならないためにも、GPにはぜひ一報を入れておいてあげてください……!
帰国届の提出
帰国届けの提出もお忘れなく!
在留届を提出したサイトからオンラインで提出が可能です。
BRPカードの返却
※英国を離れた後にBRPカードの返却を怠ると、£1,000のペナルティが課せられる場合があるとエージェントから言われたのですが、はっきりとそのような記載がウェブ上に見当たらず……そのため、この項目はスキップしても良いかもしれません。一応、下記に手順を示しておきます。
BRPカードをハサミで半分に切り、封筒に入れ、英国を離れてから28日以内に下記住所に送付します。
書類等は特に同封しなくて大丈夫です。
BRP Returns
Home Office
Conference House
Conference Avenue
Portishead Office Park
Portishead
Bristol
BS20 7LZ
UK
尚、現在のビザ終了後に英国に再入国する場合、BRPカードを所持していると入国できない可能性が高いとのこと。
わざわざ期限の切れたBRPカードを持ってイギリスに行くこともないとは思いますが……。
ポンドを日本円に両替する
今後イギリスに帰る予定がない場合、イギリスで稼いだお金を日本に送金するのも大事な作業の一つ。
一番手っ取り早いのはWise。
イギリスの口座から日本の口座に直接入金が可能です。
住所確認などで時間はかかりますが、一度に送金出来るのはとてもシンプルで楽です。
↓こちらの紹介URLからアカウントを作成すると、500ポンドまで手数料無料で送金出来ます。よろしければご利用ください。↓
その他に考えられるのは、
- 現金で持ち帰って、日本で円に替える
- 日本のATMで毎月の無料引き出し限度MAXまで現金で引き出す
- 日本でイギリスのデビットカードをクレジットカードとして使用する
などです。
1.は手数料がかかるためあまりおすすめしませんが、テナント退去時のデポジットや現金でもらったチップなどは、この方法を取ることになるかもしれません。
2.は手間と時間はかかりますが、手数料が0円です。
ATMによっては手数料がかかることがあるので注意は必要ですが、私が試したセブン銀行ではMonzoのバンクカードで手数料0円で現金を引き出すことが出来ました。
3.は銀行によっては手数料はかかりません。
最近は日本でもクレジットカードが使えるお店が増えているので、現金を使わない場合こちらが一番便利だと思います。
ただし、通販になると請求先住所(イギリス)が必要になってしまうため、サイトによっては使えないパターンも出てきます。
また、イギリスに住所を持っていないことがバレるとアカウントを閉鎖してしまう銀行もあるので、口座を残しておきたい場合は確認しておきましょう。
特にメガバンクは意外にきちんと住所確認を行っているようなので、住所規定から外れる場合、解約はきちんと行っておいた方が良さそうです。
おわりに
これはめちゃくちゃ余談ですが、HMRCって"Her Majesty's Revenues and Customs"の略なんですって。
イギリスっぽくて素敵。
仕事でもめちゃくちゃお世話になった機関だし、プライベートでも最後までお世話になりました。笑
それから、これはロンドン限定なので本文には書きませんでしたが、Oysterカードのデポジット返金も行いました。
駅にある大きめの券売機ですぐに返金出来るので簡単です。
その際、残高は£10以下にしておかなくてはならないので、そこだけ注意。
カード自体は手元に残せるので、思い出はきちんと残ります!
最後までお読みくださりありがとうございます。
このブログが少しでもみなさんの帰国時の参考になれば幸いです。