私がワーキングホリデービザで住んだことのある都市はカナダのバンクーバーとオーストラリアのメルボルン、そしてイギリスのロンドンの3つ。
みなさんのワーホリの都市選び・国選びの参考になればと思い、今回はこの3つの都市を基本的なことからマニアックなところまで、完全主観で徹底比較します。
- 各都市の特徴をざっくりと
- ワーキングホリデービザの取りやすさ
- 仕事の見つけやすさ
- 物価と時給を比べたときの金銭面の厳しさ
- 治安の良さ
- 自然の多さ
- エンターテイメントやアートの多さ
- 食べ物のおいしさ
- 人の優しさ
- 周辺都市への旅行のしやすさ
- 日本人の多さ
- まとめ
各都市の特徴をざっくりと
ワーキングホリデーは国選びも大事ですが、都市選びも非常に重要です。
日本でも東京住むのと沖縄に住むのとでは全く違いますよね?
カナダもオーストラリアもイギリスも大きな国なので、都市によって文化や雰囲気、気候まで全然異なります。
まずはざっくりと各都市の特徴から。
カナダ・バンクーバー
西海岸の南に位置する、カナダ第三の都市。イギリスの経済史「エコノミスト」が選ぶ、世界で最も住みやすい都市トップ10の常連。
寒いイメージの強いカナダですが、バンクーバーは地形や海流の影響で年中穏やかな気候に恵まれており、気温が氷点下になることはほとんどありません。冬は雨季のため、1ヶ月のうち28日は雨なんてことはザラですが、その分夏はカラッとしていて雨もほとんどなく完全に天国です。
日本人に一番耳馴染みのあるアメリカ西海岸アクセントの英語が話されていることもあり、日本人が英語学習をする上では障害が少ない都市です。
アジア系の移民、そして日本人もとても多く日系スーパーマーケットが充実しているため、アジア人として暮らす上で不便はほとんどありません。
治安は非常によく、街中であれば夜中に女性一人で歩いても大きな問題のない、世界的に見ても珍しい都市と言われています。
オーストラリア・メルボルン
オーストラリア東南部に位置する、オーストラリア第二の都市。
イギリスの経済史「エコノミスト」が選ぶ、世界で最も住みやすい都市トップ1に7年間君臨していたこともあり(最新版ではウィーンに1位の座を奪われてしまいました涙)、住みやすい都市として世界的に有名。
オーストラリア大陸の最南に位置していることと南極からの海流の影響で年中風が強く気候が安定しないため、ビーチと青い空を求めてオーストラリアに渡りたい人は避けた方がいい都市とも言えます。メルボルンは"1日に四季がある"と言われることも多く、とにかく天候が変わりやすい。今日の最高気温は42度なのに、明日の最高気温が20度なんてこともあります。急に大雨が降ってくることもある。それでも雨が降ることは少ないのと、湿気が低いのでとても過ごしやすいです。
メルボルンはオーストラリアのカルチャーの中心地としての役割を担っており、アートやファッションのシーンがとても熱い。
また、テニスのオーストラリアオープンやF1グランプリなど、世界的に有名なスポーツイベントが行われる都市でもあります。
コーヒー文化が発達している街として世界的に有名で、カフェの多さとそのレベルの高さは他の都市とは比べ物にならないほど。
オーストラリア英語圏ではありますが、第二の都市ということもありかなり都会なため、アクセントは弱め。
アジア系の移民も多く、ユニクロ・無印に加え、メルボルンには大型のダイソーもあるため、日本人はほとんど不便なく暮らせます。
オーストラリア全体に言えることですが、治安も良いです。
イギリス・ロンドン
イギリスはイングランドにある首都、ロンドン。ヨーロッパ最大の都市です。
その歴史はとても古く、世界的な文化の中心地の一つと言えます。
世界的に見ても大きな都市のため、退屈することはありません。様々なエンターテイメントが揃っています。
イメージ通りとにかく曇りや雨の日が多い都市ですが、土砂降りになることはほとんどなく、気温に関して言えばとても穏やか。春夏秋冬通して寒すぎず暑すぎず、過ごしやすいと言えます。ただし本当に雨は多いです。
イギリス英語が話されているため、ブリティッシュイングリッシュを学びたい人にはうってつけですが、移民がとても多い都市なので、英語ではない言語が聞こえてくることの方が多いと言っても過言ではありません。世界各国の訛りの英語の洗礼を受けることになります。しかし、移民が多いお陰で日本食や日本の商品を扱うお店も多いです。
治安に関しては、軽犯罪のみならず重犯罪も他の都市に比べると多いのと、残念ながらテロの危険性が高い地域になっています。都会である分、仕方ないのかもしれません。
ワーキングホリデービザの取りやすさ
1.オーストラリア
2.カナダ
3.イギリス
オーストラリアのワーホリビザが一番簡単に取得できました。簡単すぎて拍子抜けしたくらい。フォームに入力するのに約30分、ビザが降りるのにかかった時間も約15分でした。(3日かかったという話も聞いたことがあります。)
カナダのワーホリビザは抽選式ですが、まず外れることはありません。イギリスは倍率がかなり高い抽選式のため、その抽選に通ることが第一関門。この抽選がイギリスのワーホリビザの最も難しいところです。
揃える書類についてはカナダとイギリスのビザは似たり寄ったり。しかし、イギリスの場合は書類提出のためにわざわざ東京or大阪のビザセンターを予約して出向いたり、パスポートを提出しないといけなかったりする手間がかかります。
また、カナダはワーホリ2カ国目以降の国として渡航する場合、1カ国目として渡航する場合と比べて提出書類が一気に増えるのが特徴。過去に渡航した国とのコンタクトが必要な場合もあるため、提出書類を揃えるのに手間がかかることを覚悟する必要があります。
上記はあくまでもビザの取得の難易度。渡航の計画のしやすさで行くと
1.オーストラリア
2.イギリス
3.カナダ
オーストラリアは好きなときに申請して好きな時に渡航できてとてもフレキシブル。
イギリスは「この時期に抽選に通った人はこの時期に渡英できます」という期間がもともと決まっています。
しかし、カナダはいつ抽選に通るかをそわそわしながら待たなければならないため、「この時期に渡航したい」という希望が叶わない場合があります。 ビザさえ取得してしまえば渡航までの猶予が1年あるため、早め早めに行動しておけば問題ありません。
仕事の見つけやすさ
1.バンクーバー・ロンドン
2.メルボルン
これは何をしたいかにもよりますが、バンクーバーとロンドンは選ばなければ何かしら仕事が見つかりなんとか生きていけます。イギリスのYMSビザはオフィスワークをゲットできるチャンスもたくさん。
他の2都市に比べるとメルボルンはとにかく仕事を見つけるのが大変です。選ばなかったとしても仕事がなかなかありません。オーストラリア人ですら仕事がないと嘆く環境です。オーストラリア人と競って仕事を探さなくてはなりません。オーストラリアは語学学校に通うビザでも労働が認められているため、ライバル多し。
その上、オーストラリアは違法賃金で従業員を雇っている飲食業が半数以上を占めていると言われており、きちんとした環境の職場を探すだけでもかなり大変。
物価と時給を比べたときの金銭面の厳しさ
1.ロンドン
2.メルボルン
3.バンクーバー
ロンドンはとにかく何もかもが高い!その割に最低時給が高くない!ダントツで一番厳しい環境だと言えます。
(ロンドンほどではありませんが)メルボルンの物価はかなり高い。しかし、時給がその分めちゃくちゃいいので(現在最低時給が約1500円。毎年上がってます。)働いて暮らす分には支障がありません。
バンクーバーは物価もそんなに高くなく(日本よりは少し高いけど)、時給も割にあっているため、私はほどほどに貯金しつつ旅行もしながらワーホリを楽しめました。
治安の良さ
1.バンクーバー
2.メルボルン
3.ロンドン
ぶっちぎりでバンクーバーです。だってバンクーバー、ぶっちぎりで田舎だし……(笑)。バンクーバーは中心部なら女性一人で歩いても問題ないと言われているくらい平和です。
しかし、ホームレスの多さに関して言えばバンクーバーがダントツで一番。これは国にとって大きな問題になっています。
ダウンタウン(中心部)からすぐそばにスラム街があるのもバンクーバー。知らない間に治安がとても悪い地域に踏み入れてしまった……というのはメルボルンとロンドンではあんまりないかもしれない。軽犯罪もめちゃくちゃ多い。
って書くとなんだかバンクーバーが治安悪いみたいな感じだけど、安全なバンクーバーでさえこんなんなんだから、どこでだっていつだって気は抜いちゃいけない。どの都市も日本より治安が悪いのは間違いない。
自然の多さ
1.バンクーバー
2.メルボルン
3.ロンドン
バンクーバーは海と山で囲まれている都市のため、常に自然に囲まれて生活している感覚です。そしてなんといってもスタンレーパークという巨大な公園の存在が強い。
街中でも様々な野生動物と出会うことができます。アザラシが普通にいたときは感動した。動物好きにはたまらない。
それからスキーやスノボなどのウィンタースポーツが好きな人にはバンクーバーはたまらないはず。
一方でメルボルンは西に行けば乾燥地帯、東に行けば熱帯雨林。
そして南に行けばグレートオーシャンロード(とても美しい海岸)と、幅広い自然と触れ合うことができますが、中心部から若干遠い。それから、山を楽しむことはあまりできません。
しかし、街中のあちこちに多くの大きな公園が整備されており、別名ガーデンシティと呼ばれることもあるほどです。
インコがあちこちに飛んでいます。カラフルな子たちもいっぱい。運が良ければワライカワセミにも出会えます。メルボルンは鳥類の充実度がすごい。街中でも会える有袋類はポッサム(料理じゃない)。
ちなみにメルボルンのあるビクトリア州ではコアラの抱っこは禁止されているので、コアラを抱っこしたい人は他の州に行きましょう。
ロンドンは都会であるが故に他の2都市に比べると自然を身近に楽しむことは難しいかもしれませんが、それでも日本に比べるとたくさんの大きな公園が点在しているのが嬉しいポイント。
野生でよく出会えるのはリスとキツネ。日本にはいない種類の鳩"モリバト"がとても美しいので要チェック。
エンターテイメントやアートの多さ
1.ロンドン
2.メルボルン
3.バンクーバー
これはぶっちぎりでロンドンがナンバーワンです。何もかもが揃っている。さすが大都会。
ミュージカルはもちろん、世界的に有名なオーケストラ、バレエ団、コメディ、なんでも揃ってる。美術館も大規模なものがいくつも点在しているし、そのほとんどが無料。
メルボルンも負けていません。ロンドンに規模は劣るものの、アートやファッション、音楽など様々なカルチャーが発達しています。ロンドンと同じくミュージアムは無料です。ミュージカルシアターもたくさんあります。
バンクーバーにはほんっっっっっとーにエンターテイメントが少ない。美術館も大きなものは一つしかありません。
ちなみに、オーケストラやバレエなどアカデミックな公演のチケットだけを比較すると、メルボルンが一番高額。ロンドンとバンクーバーは端の席であれば安価で手に入れることが出来ます。
食べ物のおいしさ
ここから少しずつ私の主観がはいってきます。爆
1.メルボルン
2.ロンドン
3.バンクーバー
メルボルン、マジで食べ物が美味しいです。
なにもかもの素材の味がしっかりと濃い。スイカとか人参とかかぼちゃとか、オーストラリアで食べてびっくりしたよ、甘っ!!って。お肉も魚介類もおいしいし。
しかもその自給率が96%だというのだからびっくり。ありとあらゆるものが「100% MADE IN AUSTRALIA」なわけですよ。日本じゃありえない。
スーパーで適当に買ったものを適当に調理しただけで「なんでこんなに美味しいんだ……」というものが出来上がります。素材がいいと何してもおいしい。
それからメルボルンのカフェ文化は最&高です。
まずコーヒーを作るミルクがおいしいでしょ、豆ももちろんおいしいでしょ、カフェご飯もめちゃくちゃおいしいでしょ。オーストラリアのコーヒーは本当に本当に本当においしい。
ただし、焼き菓子に関しては完全にロンドンに軍杯が上がります。
ビスケット、ケーキ、スコーン……イギリスのお菓子ってなんであんなに美味しいのでしょう。
そしてロンドンは大都会なので世界中のご飯が楽しめる。しかもレベルが高い。ミシュラン星付きレストランもたくさんあるし。
イギリスはご飯がまずいって言ったのは誰だ??それは10年前までの話。ロンドンに関して言えば美味しいレストランがめちゃくちゃたくさんあります。(ただしやっぱり高い。)
バンクーバーの食文化は……3都市で一番日本食が安くておいしい。おいしいラーメン屋さんもたくさんあるので嬉しい。あと韓国料理店がとにかくやたらにたくさんあって美味しい。
あと、ジャンキーなピザとかお砂糖たっぷりのドーナツとか、そういうアメリカンな食べ物に関しては他の2都市に完全に勝つ!!たまにこういうの食べたくなる。
うーん、他の2都市のレベルが高すぎて、バンクーバーに対するコメントが……(笑)。
人の優しさ
いやもうこれも完全に主観と経験なんだけども。
1.バンクーバー
2.メルボルン
3.ロンドン
バンクーバーの人ってなんであんなに優しいんだろう……田舎だからかな、なんていうかすごくおだやかなんだよね……ホームレスを助けている人をほぼ毎日にように見かけたし。
ラッキーなことにバンクーバーでは差別を受けたことが一度もありませんでした。
メルボルンの人たちはフレンドリーって感じ!みんな明るくて弾けている。ハッピー。でも、都会独特の他人感がある。人種差別は軽いものがたまーにあったかな。
ロンドンの人たちもすっごく優しいんだけど、やっぱり一番都会なだけあって他人感がすごいし、軽い人種差別は頻繁に受ける。人が多いだけに仕方ないのかも。
周辺都市への旅行のしやすさ
1.ロンドン
2.バンクーバー
3.メルボルン
ヨーロッパの様々な都市に簡単に旅行できること。これはロンドンに住む一つのメリットです。しかも飛行機安いし、パリとかブリュッセルとかアムステルダムなら電車でも行けるし、旅行好きにはたまらない。
バンクーバーの良さはアメリカの有名都市に気軽に旅行に行けること。シアトルならバスですぐだし、ロサンゼルスやラスベガスも飛行機ですぐだし、日本からだとめちゃくちゃ遠いニューヨークにもたった5時間で行ける。南米やメキシコへの旅行もハードルがとても低い。
メルボルンはオーストラリア国内もしくはニュージーランドしか選択肢がないのがちょっと寂しい。近いと思われがちなニュージーランドは地味に遠い。
日本人の多さ
1.バンクーバー
2.ロンドン
3.メルボルン
移民国家であるカナダ。バンクーバーは特にアジア人が多い都市として知られており、なんとその割合は50%。
日本人に関しては、バンクーバーでは3歩歩けば日本人に出会えます(笑)。各飲食店一人は日本人が働いているんじゃないか?というレベルで、ジャパレスじゃなくても日本人の店員さんに出会う機会がとても多い。
日系スーパーがいくつもあったり、日本食レストランがたくさんあったり、日本人向けのサービスが整っていて全く不便しません。(普通に日本のカラオケもある!)
ロンドンは大都市であるが故に日本人が多いというイメージ。移民が多い都市でもあるし、日経の企業がたくさん進出しているし。
メルボルンも確かにアジア人そして日本人が多いのですが、他2都市に比べると少ないです。
まとめ
住めば都なんて言葉がありますが、その言葉の通り私は3都市どれもに愛着があります。
そんな中でもあえてこの3都市を主観でまとめるとしたら、
- バンクーバー:初めてのワーホリ/アメリカやラテンアメリカを旅行したい人/自然が好きな人
- メルボルン:カフェ巡りが好きな人/ユニークで洒落たカルチャーが好きな人
- ロンドン:ヨーロッパ旅行したい人/アートやエンターテイメントを求めている人
におすすめ!でしょうか。(ロンドンはお金が必要。)
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