現在日本がワーキングホリデー協定を結んでいる国は26カ国。
その中でも人気の高い英語圏の国は5カ国、オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリス・アイルランドです。
"ワーホリ英語圏5カ国比較"みたいな記事や動画って、大抵は実際に行ったことない人によるただのまとめだったりするじゃないですか?
ワーホリハンターなうでは、この英語圏5カ国のワーキングホリデー経験者による生の声だけを集め、各国を徹底的に比較しました。
仕事は見つけやすかった?治安はどうだった?物価は高いの?
そんな疑問を各国でワーホリした経験者が解決します。
この記事がワーホリ渡航先を選ぶ際に少しでも参考になれば幸いです。
※ビザ申請に関する情報はコロナ禍で状況が変わっていることがありますので、ご注意ください。
協力してくれた方々のご紹介
ワーホリハンターなう管理人のNaoは、カナダ、オーストラリア、イギリスの3カ国でワーキングホリデー生活を送っていました。
私が未経験のニュージーランドとアイルランドのワーホリ情報を集めるべく、今回2人の友人に協力を得ました。
Tomoです!カナダのバンクーバーでワーホリ後に、ニュージーランドを車で一周。その後、一周旅行の際に一目惚れしたクイーンズタウンでワーホリ生活を送っていました。
Tomoさんと私はカナダワーホリで出会いました。
その後、彼女がクイーンズタウンでのワーホリを終える頃に、オーストラリアのメルボルンにて再会。
私と彼女の付き合いは長いものの、日本で会ったことがないという不思議な関係です!
砂子です!アイルランドのダブリンでワーホリした後、イギリスのロンドンで2年間ワーホリしていました。
砂子さんと私はイギリスワーホリで出会いました。
彼女は現在、海外情報を発信するYoutuberとして活躍中!
彼女のチャンネル"SunaCoco Wonderland"もぜひチェックしてみてください↓
今回この二人に協力を仰いだ理由は、ニュージーランドとアイルランドでワーホリをしていたことに加え、二人とも複数の国でワーホリを経験しているから。
一カ国だけでのワーホリだと、その国でのワーホリ事情しか知らないため、どうしても情報に偏りが出てしまう……そのため、複数カ国でワーホリの経験のある二人に情報提供をお願いしました。
各国の特徴
この記事では今回、
- ビザの取りやすさ
- 仕事の見つけやすさ
- 物価と時給のバランス
- 治安
- 自然の豊かさ
- エンターテイメント・旅行
- 食べ物
にスポットを当てています。
それでは早速、各国の特徴を紹介します。
オーストラリア
日本人に一番人気のワーホリ先といえばオーストラリア。
5ヵ国の中で一番ビザが取りやすく(私は30分でおりました!笑)、日本からのアクセスも良く、時差もほとんどありません。
ファームでの一定期間の勤務を経た後にセカンドビザの取得が可能なのがオーストラリアワーホリの魅力の一つ!
オーストラリアに長く滞在したい人はぜひとも利用したいシステムです。
オーストラリアと一言で言えど、大陸一つが国になっているので、都市によって気候から文化から何もかも大きく異なるのがオーストラリアの特徴。
大都市から田舎まで、常夏から年中一日に四季があるような激しい気候の街まで、様々な都市があります。
そのため、オーストラリアでのワーホリにおいて都市選びは重要なポイントです。
ワーホリに人気の都市は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、ケアンズ、パース。
治安は全国的に良いですが、一部アボリジナルの部族との遭遇による被害の危険がある都市もあるので、注意が必要です。
オーストラリアはワーホリに人気な国ではありますが、都市によっては仕事探しが非常に難しく、仕事を選ばなかったとしても仕事がない場合もあります。
その上、雇用が違法の飲食店やファームが異常に多いのもオーストラリアの特徴。
タックスをきちんと払ってくれなかったり、最低賃金以下で働かされたり……ワーホリ勢に対してだけでなく、現地のオーストラリア人もそのような環境で働かされていることがザラにあります。
仕事探しの際は見極めが重要です。
物価はとびきり高く驚いてしまいますが、その分賃金も非常に高いため、物価と賃金のバランスは取れています。
オーストラリアで働いて暮らす分にはあまり苦労はしません。
シドニーやメルボルンなどの都会より、観光地のゴールドコーストやケアンズのほうが物価と時給が高いと言われています。
シドニー、メルボルンといった大都市にはエンターテイメントが溢れています。
特にメルボルンはオーストラリアの文化の中心地と言われているため、ミュージカルにミュージアムにスポーツになんでもお任せ!
海外旅行に関しては、一番近いニュージーランドですら意外と遠いため(片道3時間)、国内旅行に重点を当てることになるでしょう。
オーストラリアはワーホリ英語圏の中で一番都市によって特色が異なる国のため、一言で「オーストラリアはこうです!」とは一概に言えません。
日本人に一番人気のワーホリ先であるが故に情報はたくさんありますので、事前にしっかり調べて都市を選ぶことをおすすめします。
私はメルボルンでワーホリをしていましたが、あそこまで年中寒いとは予想していなかったですし、海にもたくさん入れると思って水着を持って行きましたが、出番は一度もありませんでした。笑
結果的にメルボルンが大好きにはなりましたが、もう少し渡航前の下調べが必要だったかもしれません。
カナダ
オーストラリアに次いで人気の高いワーホリ英語圏、カナダ。
ビザは抽選方式ですが、枠が非常に広いためまず外れることはありません。
しかし、いつ当選するかわからないため、具体的な渡航時期を自由に決めるのが5ヵ国の中で一番難しいです。
大体の渡航時期の予想は立てることが出来るものの予想通りにビザが下りないこともあるので、余裕を持って早め早めに申請を始めることをおすすめします。
カナダのワーホリビザは学生ビザや観光ビザへの変更が可能なため、ビザを組み合わせて長く滞在することも可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
ワーホリに人気のトロントやバンクーバーは世界中から学生やワーホリメーカーが集まっているということもあり、仕事が比較的見つけやすいのもカナダワーホリの良いところ。
たまにですが、ワークビザをもらったという話も聞きました!
アジア人も多いため、アジアンレストランやスーパーマーケットも充実していて、居心地の良さを感じると思います。
さすが移民国家といったところでしょうか。
物価は日本より少し高い程度で、給与もそこそこ高いため、現地で働いて暮らす分にはあまり不自由はありません。
治安も全国的によく安心して生活を送れますが、危ない地域もあるので注意が必要です。
カナダはホームレスがとにかく多かった……重犯罪はなかったけれど、軽犯罪はよく耳にしました。
トロントの冬は大変厳しく辛いものがありますが、バンクーバーは真冬でも氷点下になることがあまりなく、とても穏やかな気候です。
大自然にあふれており、夏はハイキング、冬はウィンタースポーツを楽しむことが出来ます。
国内旅行だと、ロッキー山脈探索やイエローナイフのオーロラ観測など、自然に溢れたアクティビティが豊富です。
それ以外のエンターテイメントにはなかなか乏しいものがありますが、アメリカが近いことからアメリカ旅行を楽しめるのは大きなメリットです。
バンクーバーは住みやすい街として有名だったので、もともと憧れがありました。ニュージーランドやイギリスの都市と比べると、日本に近いのも魅力の一つです。
ニュージーランド
南半球にあるニュージーランド。
言わずもがな素晴らしい自然に溢れた国で、治安がとてもいいことで有名です。
ワーホリ可能な英語圏5カ国の中で一番治安が良いのではないでしょうか。
大きなトラブルはなく、治安はめちゃくちゃいいと感じました!カナダは色々あったけれど……(笑)
ニュージーランドのワーキングホリデーは、ビザ取得のために指定の病院で健康診断を受けなくてはならないのが他の国と大きく違う点です。
指定の病院は日本に数件しかないため、地方に住んでいる人はわざわざ出向かなくてはならないのが少し大変かもしれません。
ファームで勤務するとビザを延長できるシステムもありますが、オーストラリアほど大幅には伸びません。(最長3ヶ月。オーストラリアは最大1年。)
7月にカナダから帰国して、9月にはもうニュージーランドに飛んでました。ビザは意外とすぐ取れるのであまり心配しなくても大丈夫です!
非常に環境の良いニュージーランドですが、就活はなかなかハードモード。
そもそもの求人の種類が少なく非常に限られていますが、その分日系レストラン等でのビザの延長が割と簡単です。
日系レストランに勤務していてビザを延長した人の話はよく聞きました!ウィンタースポーツが盛んなため、その時期の仕事を狙って来る人も多い印象です。スキーやスノボが好きな人にたくさん出会いました!
物価は高めですが、スーパーの食品はそんなに高くなく、交通費も比較的安めです。
ニュージーランドはお肉だけでなくお魚も豊富で、食に困ることはほとんどありません。
街の中には基本小さなスーパーしかなかったので、郊外の安いスーパーに行くには車かバスで移動していました。ニュージーランドで働いて暮らす分には時給とのバランスが取れているので、外食する余裕もあったし、結構稼げてたと思います!
自然に溢れているので、アウトドアアクティビティに困ることはありません。
どこの街にも近くに山があり、ハイキングに慣れていない人でも登りやすいコースも多いので、チャレンジしやすいです。
ファーム体験、野生のアザラシやペンギンの観察なども可能です。
また、バンジージャンプ、スカイダイビングなど、日本では体験出来ないアクティビティが盛りだくさん!
自然だけでなく、意外とクラブもちゃんとあったり、ボートクルーズパーティのようなアクティビティも充実しています。
飲酒からの遊泳がお決まりパターンでした(笑)。仕事後に、クラブや飲みに出かけよう!となることがよくありました。ハカを見られるレストランで、途中参加型になって一緒に踊ったのも楽しかったです。個人的にはカードゲームが色んなところで手に入るのがよかった!10ドルくらい(約750円)だったので、もっと買っておけばよかったなぁ〜
ただ、海外旅行となると、ニュージーランドは飛行機のアクセスはあまりよくありません。
日本からのアクセスも他の国と比べると選択肢が少ないです。
国内旅行はバスで観光出来るところも多いですが、やはり車があったほうが断然便利。
ドライブ好きな人にはニュージーランドはとてもおすすめです!1ヶ月あれば全国の主要なところを回れます。私は車がなくても生活できて旅行の拠点にもなるクイーンズタウンを選びましたが、都市によっては車がないと過ごせないところもあると思います。車を持っていた友達の保険の手続きがすごく大変そうだったな……。
全国的に治安がよく自然に溢れているニュージーランドですが、ワーホリの際は都市選びが非常に重要です。
カフェが好きならオークランドかウェリントン、アートの街ならウェリントン……クライストチャーチはなんだか外交的な人が多かった印象。私はクイーンズタウンに一目惚れして、心から住みたいと思ったし、ほどほどの都会・田舎なのがよかったです。ニュージーランド人はシャイかと思ってたけど、出会った人はみんな優しくて温かかったです。親しみを持ってくれた!ワーホリ、やっぱり楽しかったなぁ。
イギリス
イギリスのワーホリことYouth Mobility Scheme、通称YMS。
他の国のワーホリとは違い、厳密に言うと2年間の短期ワークビザという括りになっています。
ビザの取得がワーホリ可能国の中で一番難しいと言われています。
非常に倍率の高い抽選を勝ち取った人だけがビザを手にすることが出来、当選したあとも提出書類が多く、東京もしくは大阪にあるビザセンターでのみ申請を受け付けているなど、手続きに非常に手間がかかります。
抽選の時期、ビザの申請期間、渡航可能期間などが全て定められているため、それに合わせて自分のプランを立てます。
2年間滞在することが出来るため、飲食だけでなく事務職での就職も狙いやすいのが他の国のワーホリとちょっと違うポイント。
イギリスにある日系企業は名だたる大企業ばかり!日本にいたら就職できないようなところでも、YMSなら就職するチャンスがあります。履歴書映えするので、今後のキャリアアップにもつながる!
外食はもちろん、家賃や交通費も非常に高いイギリスですが、賃金はそこまで高くないのが現実。
しかし、スーパーに売っている食料品や日用品は日本より安いことがほとんどなので、贅沢をしない限りは不自由なく過ごすことが可能です。
治安に関しては、ロンドンは世界的な大都会のため、テロや重犯罪の危険性がどうしても高くなってしまいます。
地方都市は落ち着いていることが多いですが、ヨーロッパという土地柄もあり、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに比べると治安に対する不安は残ります。
その分都心部は非常にエンターテイメントに溢れており、海外旅行にも行きやすい環境が整っているのは嬉しいポイント。
そして、意外にもイギリスは自然が豊かで、ロンドンの中心部ですら大きな公園が整えられています。
ピークディストリクトやレイクディストリクトなど、アウトドアアクティビティに適したエリアもたくさん。
国内にも有名観光地が無数にあり、「やることがない」状態にはなかなかなりにくいはず!
ただし、物価が高いのでお金は必要です。笑
メシマズ大国として名を馳せているイギリスですが、それは10年前の話。
今のイギリスは美味しいもので溢れているので、あまり心配する必要はありません。
物価は高いですが。笑
ワーホリ(YMS)の情報は、家も仕事もやはりロンドンが一番多いです。
アイルランド
ワーホリ可能な英語圏の中では一番マイナーな国ですが、イギリスに近い・イギリスと文化が似ているという理由で意外と根強い人気を誇るアイルランド。
イギリスと同じ抽選式のビザですが、まず外れることはありません。
イギリスのYMSと違うポイントは、志願理由のエッセイを提出しなくてはならないところ。
それ以外はイギリスと同じで当選時期が決まっているため、渡航時期などのプランは立てやすいです。
イギリスのYMSになかなか当たらない人が代替案としてアイルランドに行くのは大いにありだと思います!アイルランドワーホリに行くとYMSに当たるというジンクスもあるくらいです。ロンドンとダブリンはとても似ています。ダブリンはロンドンの縮小版と言ってもいいかも!
ワーホリメーカーに人気なアイルランドの都市は圧倒的に首都のダブリン。
しかし、治安はロンドンより悪く、シティーセンターはナイフクライムも多いため、治安が悪いエリアは事前に把握しておくことをおすすめします。
また、トラヴェラーと呼ばれるジプシーのような移動民族にも注意が必要です。
ジャンキーも多いし、変な人がお店に入ってきたり、万引きされたりはザラにあります。それから、アイルランドのティーンエージャーは素行が悪いことで悪評高いです。卵を投げつけてくる、暴言を吐く、追いかけてくる、集団でカツアゲしてくるなど……アイルランド人の若い子を見かけたらなるべく逃げた方がいいです。
ダブリンの次に人気なのがコーク、そしてゴールウェイでワーホリや留学をしている人もいます。
どちらもアイルランドらしいかわいい街ですが、規模がとても小さいのがウィークポイントかもしれません。
その分治安が良いのは大きなメリット!
アイルランドの田舎は治安が良いと言われています。
自然は全国的に豊かで、一歩街から出ると山!海!崖と羊と……という感じですが、交通は発達しているのでワーホリなら車はいらないと思います。
アイルランドワーホリで一番大変なのは、仕事探しかもしれません。
勤務先が飲食店しかない上に数が少ないため、争奪戦です。
ワークビザはとても取りにくいけれど、日本人に対してワークビザを出してくれることで有名な会社はいくつかありました。よく聞いたのはコールセンターとゲーム会社でした。
苦労して仕事をゲットしたところで、アイルランドは最低賃金が低い上に物価が高いので、生活はあまり楽ではありません。
物価と賃金のバランスはあまり良くないと言えるでしょう。
アイルランドでワーホリをしたい方は、潤沢な資金を用意してくることをおすすめします!!笑
アイルランド国内のエンターテイメントはあまり豊かではありませんが、他のヨーロッパ諸国へのアクセスはとても良いため、海外旅行に行きやすいのは非常にいいポイントです。
ただし、日本へのアクセスは悪いです。直行便がありません。
休日は友達とパブかクラブに行ってました。あとは有名なミートアップがあったり、ハリポタのロケ地があったり……アイリッシュダンス観賞をしながらのディナーなんていうアイルランドっぽい体験も出来ます。
食べ物の文化はイギリスと非常に似ています。イギリスと同じく芋づくし!笑
チェーン店も共通していて、スーパー事情も同じです。
でも、アイルランド人にイギリスの話はあんまりしないほうがいいです……歴史的背景が色々あるので……。
とはいえ、アイルランド人はとっても優しく、優しいことを誇りに思っているのでご安心を!
アイルランドで日本人に会うことはほとんどありませんでした。日本人はレア!韓国人やブラジル人が知り合いにいると、彼らの現地コミュニティから家探しや職探しの情報をもらえて生活がイージーになりやすいです。私は初ワーホリがアイルランドで色々失敗してしまったので、しっかりプランを立てて後悔がないように情報を集めることが一番大事だと感じています。一年間はあっという間です!イギリスと比べても、仕事とお金のことはやっぱり大変でした。
まとめ
今回お二人に話を伺ってワーホリ英語圏5カ国の事情を比較したところ、総合的に一番イージーなワーホリはカナダなのかな?と感じました。
逆に一番ハードなのはアイルランド。
ワーホリの難易度は、情報の多さ・日本人の多さ・治安の良さに比例するような気がしました。
そんなわけで、今回スポットを当てたトピックの比較は下記の通り。
- ビザの取りやすさ:オーストラリア>ニュージーランド>カナダ>アイルランド>イギリス
- 仕事の見つけやすさ:カナダ>イギリス>オーストラリア=ニュージーランド>アイルランド
- 物価と時給のバランス:カナダ>オーストラリア=ニュージーランド>イギリス>アイルランド
- 治安:ニュージーランド>カナダ=オーストラリア>イギリス=アイルランド
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ワーホリを検討中のみなさん、ワーホリ2カ国目を検討中のみなさん、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
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そして、この記事を書くにあたって協力してくれたTomoさんと砂子さんにSpecial Thanks!!
私がワーホリをしていたバンクーバー、メルボルン 、ロンドンの徹底比較記事はこちら↓