(最終更新日:2023年11月1日)
こんにちは、Naoです。
現在私はパートナービザにてオランダに滞在しています。
この記事では、パートナービザの取得準備から、residence permitカードを受け取るまでに私が実際に行った手順を紹介します。
これからオランダのパートナービザを申請される方の参考になれば幸いです。
※私は途中で一度オランダに入国していますが、下記「Final Decisionのレター"Kennisgeving referent"が届く」までのステップは、日本国内でも進めることが可能です。
- オランダのパートナービザ概要
- 申請に必要な書類一覧
- 日本で取得しなければならない書類
- 番外編:私が海外に住んでいたが故に必要になった書類
- オランダへ入国
- 日本大使館で戸籍謄本の翻訳を依頼
- 外務省にてリーガライゼーション
- パートナービザのオンライン申請
- 受付完了のレターが届く
- 結果が早く欲しい場合
- Final Decisionのレター"Kennisgeving referent"が届く
- INDでバイオメトリクス登録
- 住民登録・BSNナンバーの取得
- Residence Permitカードの受け取り
- まとめ
オランダのパートナービザ概要
オランダでは、21歳以上同士のカップルは既婚の場合はもちろん、未婚であってもパートナービザを取得することが可能です。
性別も問いません。
オランダらしくオープンなところが素敵ですよね!
パートナービザ申請の条件として、スポンサーとなるパートナーの収入や仕事の契約は細かいルールが設定されています。
ここをクリアするのが最重要項目と言っても過言ではありません。
過去3年間定期的な収入があったかどうか、現在の仕事の契約は1年間以上あるかどうかなど、条件は個人によって異なります。
ビザの申請を始める前に、スポンサーの収入や交際ステータス関してこちらの政府のサイトでしっかりとご確認ください。
このパートナービザは5年間有効で、就労の制限はありません。
日本人の場合、ビザ取得後3年以内に「市民化テスト」に合格しなくてはなりません。
市民化試験 | 旅行と居住 | orandatowatashi.nl
申請に必要な書類一覧
まずはどのようなプロセスでビザ申請を進めるか、INDのサイトで確認しましょう。
↑こちらのConditionページから、パートナーとご自身の国籍を入力します。
ウェブサイトはパートナーを受け入れるスポンサー目線で書いてあるのでご注意ください。
私が今回のビザ申請に必要だった書類は下記の通りでした。
パートナーが用意する書類
- パスポートのカラーコピー→このページには明記されていませんが、提出する際は個人情報ページだけでなくスタンプが押してある全てのページが必要です
- 勤め先の就業証明書
- 雇用主の宣言書→指定のフォームをINDのウェブサイトからダウンロードして記入、雇用主にサインしてもらいます
- 給与明細3ヶ月分
- 私のスポンサーであることの宣言書→指定のフォームをINDウェブサイトからダウンロードして記入
私が用意する書類
- パスポートのカラーコピー→このページには明記されていませんが、提出する際は個人情報ページだけでなくスタンプが押してある全てのページが必要です
- 婚姻具備証明書→リーガライゼーション済みであること(後ほど詳しく説明します)
- 犯罪履歴がないことの宣言書→指定のフォームをINDウェブサイトからダウンロードして記入
2人で用意する書類
- 2人がリレーションシップを持っていることの宣言書→指定のフォームをINDウェブサイトからダウンロードして記入
- 交際に関する質問書→指定の質問書をINDウェブサイトからダウンロード。交際を証明出来る写真や手紙、メールや航空券のコピーなどもPDFにまとめます。
最終的にオンラインで申請するため、上記の書類は全てPDFで用意します。
日本で取得しなければならない書類
日本で用意しなければならない書類は、アポスティーユ認証済みの戸籍謄本のみです。
こちらの書類はビザの申請並びに、住民登録の際に必要になります。
下記の流れで取得します。
戸籍謄本を取得
基本的には本籍がある役場に請求し、戸籍謄本を取得します。
住民票のある役場ではなく、本籍のある場所というのが注意点です。
本人が出向いてもOKですし、代理人(家族だとスムーズです)の申請、もしくは郵送での取り寄せも可能です。
マイナンバーカードを所持している場合は、コンビニでも取得が可能です。
私は父に代理人を頼み、本籍のある役場で戸籍謄本を取ってきてもらいました。
アポスティーユ認証の依頼
アポスティーユ認証とは、この証明書は正式なもので、海外で使っても大丈夫ですよ〜という認証です。
東京の外務省、もしくは大阪の分室にて無料で認証してもらえます。
直接出向く方法と、郵送での申請方法があります。代理人での申請も可能です。
詳しくは外務省のウェブサイトをご覧ください。
私は母に代理人になってもらい、郵送で申請してもらいました。
外務省から返送されるのに土日を挟んでちょうど1週間かかりました。
日本からはEMS便でオランダに送付してもらいました。こちらは11日かかりました。
番外編:私が海外に住んでいたが故に必要になった書類
日本にお住みの方は、こちらの項目は読み飛ばしていただいて問題ありません
ビザを申請する際、ご自身が海外に3ヶ月以上住んでいる場合は、その国での独身を証明する書類も必要になります。
私はイギリスに住んでいたため、イギリスでの独身証明(シングルステータスを証明するもの)も必要だったのですが、イギリスはPopulation Registerを行なっていないため、外国人の証明書を発行することが出来ませんでした。
在英日本大使館、在蘭日本大使館、INDに電話しても解決策が見つからず、最終的にオランダの外務書に電話をして確認を取ったところ、下記のVerklaring burgerlijke staatという書類をリーガライゼーション(アポスティーユ認証)した上で提出するように言われました。
これがかなり厄介で、この書類をアポスティーユ認証するには、この書類にsolicitorもしくはNotary Publicという公証人からの認証をもらわなくてはなりません。
オンラインでもslicitorやNotary Publicからの認証を受け付けているサイトもありますが、このVerklaring burgerlijke staatについては対面で認証を受けなくてはならないので、ご注意ください。
私は最寄りのNotary PublicをGoogle Mapsで検索して予約を取り、認証してもらいました。
私の場合はこれに95ポンドがかかりました。
その後、下記のイギリス政府のウェブサイトに従って書類を郵送し、アポスティーユ認証を受けます。
Get your document legalised - GOV.UK
ドキュメントの種類を選ぶ画面ではVerklaring burgerlijke staatが選択肢にないため、skipを選択してください。
私は、公証人との対面でその場で認証を受け、アポスティーユ認証の手続きもその場でやってもらい、そのままの足で郵便局から発送しました。
発送からオランダの住所での受理まで9日間かかりました。
認証の際、赤いリボンと金色のステッカーで書類が封印され、なかなかに仰々しくて驚きましたがとてもいい経験になりました。笑
オランダへ入国
私はこのタイミングで一度オランダに入国しました。
オランダに入国する際に私が印刷して用意した書類は下記の通り。
- パートナーのパスポートのカラーコピー
- 私のスポンサーであることの宣言書
- 2人がリレーションシップを持っていることの宣言書
どれも前述した通りビザ申請の際に必要な書類です。
ボーダーコントロールでこれらの書類を見せて、「ビザ申請を目的とした入国」ということを伝えるつもりだったのですが、なんと、一切の会話なしにパスポートの提示だけで入国出来てしまいました(笑)。
さすが日本のパスポート、強い。
オランダに長期滞在する場合は、在留届の提出をお忘れなく!こちらは義務です。
また、ビザの申請にあたり電話番号を聞かれる場面が多いため、オランダの電話番号を取得しました。
オランダでの携帯の契約(SIMカード)については、こちらを参考にどうぞ↓
そして、オランダではクレジットカードが使えないことが多いので、オンラインバンクN26に申し込んでpinpas(デビットカード)を手に入れました。
N26はパスポートとオランダの電話番号があればすぐ開設できるので、オランダに来てすぐ開設する銀行としてぴったりです↓
日本大使館で戸籍謄本の翻訳を依頼
Den Haagにある在オランダ日本大使館にて、戸籍謄本の翻訳を依頼します。
https://www.nl.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/
こちらも代理での申請が可能ですが、私は自身で直接行って申請してきました。
必要なものは
- アポスティーユ認証された戸籍謄本
- パスポート
のみです。
ここで申請する書類は、「婚姻具備証明書」と「出生証明書」です。
ビザそのものの申請には婚姻具備証明書のみが必要ですが、市役所での住民登録の際に出生証明書が必要なため、ここで一緒に申請しておきましょう。
館内に入る際は、貴重品以外の荷物は全てロッカーに入れるよう指示されます。
携帯電話も携帯することが出来ないため、申請時に必要となるオランダの住所や電話番号などを携帯電話にて確認することが出来ません。
覚えていない場合は、予めメモを取るなどしておいた方がよさそうです。
申請から書類の受け取りまで約1週間を要しますので、書類完成後に再び大使館を訪ねます。
このとき、書類1通につき€10を支払います。(2020年12月現在の値段です。年々値上がりしているのでご注意ください。)
現金のみの受け付けとなっているため、現金のご用意をお忘れなく!
無事に2通の書類をゲットしたら、同じくDen Haagにあるオランダ外務省にて書類をリーガライゼーションしてもらいます。
私はそのままの足で外務省に赴きました。
免許証の書き換えに必要な書類もこのとき一緒に申請しておくと便利です↓
外務省にてリーガライゼーション
Den Haag中央駅の目の前にあるオランダ外務省にて、翻訳済の婚姻具備証明書と出生証明書をリーガライゼーションしてもらいます。
入り口に入ってしばらく進むと順番待ちの番号発券機があります。
そこで番号を発券→カウンターにてリーガライゼーションを依頼→受け取りという流れになります。
当日午前11:30までに依頼した場合、リーガライゼーションされた書類は当日その場での受け取りが可能です。
料金は一通につき€10。
今回、婚姻具備証明書と出生証明書の二通をリーガライゼーションしたため、合計€20をpinpasにて支払いました。
私は平日の午前10時くらいに来館し、書類の受け取りまでにかかった時間は40分ほどでした。
パートナービザのオンライン申請
書類が全て揃ったら、いよいよオンライン申請です。
INDのウェブサイトの指示に従い必要項目を入力し、必要書類はPDFでアップロードします。
前述した提出書類一式は、予め全て準備・記入を済ませPDF化しておくことをおすすめします。
"交際に関する質問書の回答"はフォームに直接入力する形式でしたが、前もって回答を用意しておくとスムーズです。
交際を証明出来る写真や手紙、メール、航空券などのコピーは、出来るだけたくさん用意しておくことが望ましいようです。
申請料金は€174でした。(申請料は2021年1月に値上がり、現在は€192になっています。)
受付完了のレターが届く
オンライン申請終了後から2日後にINDから受付完了のレターが郵送で届きました。
……私が混乱したのはここからです。
レターには「出来るだけ早めにINDにてバイトメトリクス(顔写真、指紋、サイン)の登録をするように」という案内が書いてありますが、INDのウェブサイトには「結果が届くまで待つように」と書かれています。
→色々調べた結果、どちらでも問題ないようです。
レターが届いた時点でINDにバイオメトリクス登録に行っても問題ありませんし、結果が出てから登録に行っても大丈夫です。(前者の方が、より早くビザの結果が出る傾向にあるようです。)
私はこの時点でイギリスにまた戻ることになったため、結果が届いてからバイトメトリクス登録に行くことにしました。
結果が早く欲しい場合
私は渡航時期に関して様々な問題があったため、「出来るだけ早めに渡航したい、出来るだけ早めに結果が欲しい」という状況でした。
申請から1ヶ月と1週間待ってもステータスが全く動かなかったため、INDに問い合わせたところ、早めに結果が欲しいということを書いたレターを追加書類として提出するようにアドバイスされました。
このレターは48営業時間以内に確認されるとのこと。
DigiDのオンライン申請ページから、「このような理由で結果が早く欲しい」という詳細を細かく記した二人の署名入りのレターを追加として提出しました。
指定のフォーマットなどは特にありませんが、正式な書類としてしっかり作成しました。
すると、提出から約48時間後に、ビザのステータスが「今チェックしているよ!」に変わりました!
急ぎの方は試してみる価値ありです。
Final Decisionのレター"Kennisgeving referent"が届く
INDに追加書類の手紙を提出してからちょうど2週間、ビザのオンライン申請からは1ヶ月と3週間後、INDからresidence permitが下りたという内容のメールが届きました!
それからすぐに郵送でも同じ内容のレター"Kenninsgeving referent"が届きました。
ビザの期限は、オンライン申請が受領された日から5年間でした。
私はこのタイミングでこのレターを印刷したものを持って、オランダに再入国しました。
INDでバイオメトリクス登録
次は、最寄りのINDオフィスでバイオメトリクス(顔写真・指紋・サイン)登録を行います。
こちらは予約が必要です。
下記の専用ページから最寄りのINDの予約を取ります。
予約日当日は、受付で予約確認メールの画面を見せる必要がありました。
番号札をもらい、予約時間から10分ほど待ちましたが、バイオメトリクス登録そのものは5分で終了。
パスポートを提出し、写真を撮影し、サインを書き、指紋を採って、完了です。
「登録完了までしばらく時間がかかるから待っててね」と言われ、帰宅しました。
住民登録・BSNナンバーの取得
バイオメトリクス登録後、住民登録(BSNナンバーの取得)も進めました。(こちらの手続きはResidence permitカードを受領した後に回しても問題ありません。)
まず、自身が住んでいる市の市役所に問い合わせします。
私が住んでいるアムステルダムの場合、移民の住民登録は電話でのみ予約が可能です。
https://www.amsterdam.nl/en/contact-information/appointment/
持ってくるように言われたのは
- パスポート
- リーガライゼーション済みの出生証明証
- Kenninsgeving referent
- 家の契約書
の4点。
しかし、私はINDで既にバイオメトリクスを登録済みだったため、Kenninsgeving referentは見せる必要がありませんでした。
家の契約書は紙ではなくPDFデータで持っていったのですが、問題ありませんでした。(その場で指定のメールアドレスに転送するように言われました。)
手続き中にオランダの電話番号とメールアドレス、直前に住んでいた国も聞かれました。
手続きにかかった時間は20分ほど。
その場でBSNナンバーが書かれた書類を受け取り、終了です。
市町村によっては、書類一式を預けて後日取りに行くところがあったり、BSNナンバーが後日発行されるところがあったりと、様々なようです。
上記はあくまでもアムステルダムでの流れとして、ご参考までに。
BSNナンバーを取得したら、DigiDの登録、健康保険の加入を進めることが出来ます。
DigiD登録後は、Mijn INDから自身でビザステータスを確認することが出来るようになります。
健康保険の加入にはDigiDが必要な場合が多いですので、先にDigiDを申請しておくと安心です。
DigiDについてはこちら↓
オランダの健康保険についてはこちら↓
BSNナンバーを取得したら、銀行口座を開くことも可能です。
Residence Permitカードの受け取り
バイオメトリクス登録から9日後、Mijn INDのステータスがYour residence document is readyに変わりました!
その翌日(バイオメトリクス登録から10日後)、Mijn IND上にレターが届きました。
このレターは郵送でも送られてきますが、早くカードを受け取りたかったため、私はMijn INDでレターを受領したタイミングでINDを予約しました。(レターは翌日郵送でも届きました。)
この時、バイオメトリクスを登録した時と同じINDオフィスを予約する必要があるのでご注意ください。
予約当日、前回同様INDの受け付けで予約確認メールの画面を見せ、番号札をもらい、呼ばれるまで少しの時間待ちました。
呼ばれたカウンターでは、パスポートのみ見せるように言われました。
レターも持って行きましたが、見せる必要はありませんでした。
5分ほど待ち、晴れて無事にResidence permitカードを受領することが出来ました!!
これにてパートナービザの手続きは終了です。
まとめ
今回私がオランダのパートナービザの申し込みに支払ったのは、
- オンラインビザ申請料€174(現在は€192)
- 日本大使館・翻訳料€20
- オランダ外務省・リーガライゼーション料€20
- イギリスの公証人に支払った£95+£40
でした。
最後の項目は特殊なので、日本から申請する方は該当しません。
日本から申請する場合は合計€232で申請出来てしまうので、他国のパートナービザと比べても非常にハードルが低いと感じました。
私は途中で一度イギリスに戻ったので停滞していた期間もありましたが、日本で戸籍謄本を発行してから合計約5ヶ月で全ての行程を終えることが出来ました。
一番混乱したのは、前述した通りバイトメトリクスを取りに行くタイミングです。
これ以外は、手間と時間はかかるものの、一つ一つ丁寧にクリアしていけばそこまで難しくありませんでした。
次のステップやビザの結果を待っている間はソワソワして全く落ち着きませんでしたが、終わってしまえばあっという間だったなぁという感想です。
最後までお付き合いくださりありがとうございます。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
みなさんのビザ申請もスムーズに進みますように!
その他の移住手続きに関するブログはこちら↓