みなさんが好きな映画監督は誰ですか?
私はウェス・アンダーソンが大好き。
どの場面を切り取ってもぶれないかわいい色使い、テンポ感のいいストーリー、登場人物のポーカーフェイス……そのどれもがたまらなく好き。
多才である彼は、映画の監督だけでなくその独特の感性を生かした様々なアーティスト活動を行っています。
昨年、彼は初めて企画展をキュレーションしました。
しかもその企画展の会場は、彼がプロデュースしたカフェが併設されているミラノのプラダ財団美術館。
彼の大ファンである私が行かないわけがありません。しかも私はプラダも大好き。
一度に3度美味しい(?)時間を過ごしてきたので、その様子をどうぞ。
Fondazione Prada
プラダ財団美術館ことFondazione Pradaは、ミラノ中心部から少し離れた場所に存在します。
周りにはほとんど何もないので、このあたりをうろついている観光客は全員この美術館目当ての人だと言っても過言ではない。
美術館の敷地内には元蒸留所だったものを含む10棟の建物が連なっています。
これらはオランダの建築事務所OMAが手掛けたもの。
ド派手な金ぴかのビルディングもあったりして、外観だけでもかなり面白い。
収容作品は前衛的なインスタレーションが中心。そのどれもが大規模であることが最大の特徴!
ビルのフロアをまるごと一つ使用した作品だけでなく、ビル一棟(!)を使った大胆な作品も……!
作品数は少ないものの、一つ一つの作品が大きいため、かなりの見ごたえがある美術館です。
こちらはお手洗い。細部までこだわりが見えます。
階段もこんな様子。かっこいい。
メインビルディングは結構高層で、この階段をぜーぜー言いながら何度も上らなければならず、結構ハード(笑)。
コンテンポラリーアートが好きな人は必見の美術館です!
もしかしたら、私はこの美術館が世界で一番好きかもしれない。
bar luce
ウェス・アンダーソンがプロデュースしたカフェ「bar luce」。
プラダ財団美術館に併設された、イタリアンバールスタイルのカフェです。
隅から隅までウェス・アンダーソンらしさが詰まったファンにはたまらない空間!
食器類・お砂糖・ナプキンも全てオリジナル。かわいい。
カウンター席とテーブル席があり、「TABLE SERVICE」と書かれたテーブルに座るにはスタッフからの案内が必要。フォントにもこだわりが見える。
メニューブックもご覧の通り。
コーヒーや紅茶だけでなく、ケーキやパニーニも充実しているので、ランチにも使えます。
かわいいのはインテリアだけじゃない。お値段もかわいい。
美術館のカフェにありがちな特別価格ではなく、他のミラノ市内のバールとかわらない安さ。観光客には嬉しい。
ジュークボックスやピンボールもウェスらしさが満点。
お手洗いもスタイリッシュ。
ウェス・アンダーソンのファンはもちろん、かわいいものが大好きな全ての人におすすめしたい。
Spitzmaus Mummy in a Coffin and Other Treasures
ウェスがパートナーのジューマン・マルーフとキュレーションを手掛けた企画展。
その名も「Spitzmaus Mummy in a Coffin and Other Treasures」。日本語にすると「棺の中のトガリネズミミイラとその他宝の数々」という、なんとも不思議なタイトル(笑)。ウェスっぽい。
この企画展はウィーン美術史美術館から始まり、ミラノのプラダ財団美術館にやってきました。
コンセプトは「好きなものを世界中から集めて展示する」。彼らの作品は展示せず、あくまでもキュレーションに徹した企画展。
確かに実際のところ「好きなものを世界中から集めて展示」してあっただけだったが、その集め方だったり展示方法だったりが「そう来たか!」という内容でニヤニヤしてしまった。たまらん。
例えば「緑色のものだけを集めたコーナー」があったり。そこには緑を基調とした絵画や彫刻はもちろん、宝石やコガネムシの標本まで集められていて、その視野の広さと徹底したコレクション力に脱帽した。さすがウェス。
いつかまた彼にはキュレーションを手掛けて欲しいと願ってやまない。